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下関市立大学について
学長からのメッセージ
未来につながる 道をつくる
これからの社会を生きる 資質と専門性
人間の脳は、環境によっていくらでも変化する可能性を持っています。生まれてすぐ走ったり泳いだりできる生物として完成された強さの代わりに、私たちは未完成で生まれるという選択をしたことで、生後どんな環境にも適応できる強さを手に入れました。人類は進化の過程で得た脳の柔軟性という武器により、地球上での繁栄や文明社会の発展において他の生物の追随を許さなかったのです。これは脳の可塑性とも言われ、神経科学者デイヴィッド?イーグルマンは「ゼロから無限大までの可能性スペクトラムがある」としました。
自分の可能性を高めるためのヒントも、私たち人間の特徴の一つから得ることができます。生物学的に弱い人類が自然界で生き残るには、協力した集団単位になって競争するしかありませんでした。それは利他心や良心、道徳といった社会性の良い面を育みましたが、脳は生存率を高めるために自分たちと他の集団とを自動的に区別する"無意識の偏見"も発達させたそうです。ある集団単位で団結して相手に打ち勝つには必要な能力でしたが、インターネットや交通インフラの発展で世界が繋がったことで、地球市民としてのあり方が問われる現代においてはダイバーシティ社会実現のためにも克服すべき課題となりました。しかし、"無意識の偏見"の克服方法は意外と単純だということもわかっています。私たち一人ひとりが、①自分も"無意識の偏見"を持っていると自覚すること、②私たち(自分)についても彼ら(相手)についても理解を深める努力をすること、それだけで脳は潜在的な区別をしなくなるそうです。本学では自己理解と他者理解を深めるために、大学4年間の学修成果についてESLOという科学的尺度を用いて把握します。哲学者フランシス?ベーコンが残した「知は力なり」という格言は、現代科学における真摯な観測者の土台となりました。客観的に自身を把握する経験は、学生に自分を理解することだけでなく他者を理解することの視点を授け、卒業後の生活を豊かにする土台を築きます。
さらに本学は、2024年度〈データサイエンス学部(仮称)〉、翌年2025年度には〈看護学部(仮称)〉の新学部設置を準備しています。ダイバーシティ社会を牽引する地球市民としての資質を育みながら、これからの社会に必要とされる各分野のプロフェッショナルを輩出する教育?研究機関として、経済学部単科大学60年の歴史を持つ本学がその殻を破り大きな変革を迎えることになります。「もともと地上に道はない 歩く人が多くなれば それが道になるのだ」と、文学者?思想家であった魯迅は言いました。前例のない変化に戸惑い、将来に漠然とした不安が渦巻く社会だからこそ、今、ふたたび教育が問い直されています。本学では、都市発展のカギと言われるIoT?医療インフラに強い人材育成を目標とした「データサイエンス」と「看護」分野に参入することで、下関市のみならず周辺地域や東アジアを中心に世界へと繋がる道をつくります。
私たち人間は、変化に適応する強さと何者にでもなれる可能性を持っています。"無意識の偏見"という生来持ちうる脳機能でさえも、学習によって変えることができるとわかっています。VUCAの時代と呼ばれ、将来自分が何をしたいのか、そして今何をすべきなのか分からない人もいるでしょう。また、勉強に得意や不得意があったり、興味はあるが自分にできるのかという不安があったりするでしょう。しかし、人類が持つ強さを信じて、変化を恐れず可能性のチャンスを掴んでください。私たちが歩めば道は拓けて踏み固まり、その先は確実に未来につながっています。本学とともに新しい道をつくりましょう。
下関市立大学 学長
韓 昌完
HAN Chang-wan, Ph.D.
最終学歴
- 東北大学医学系研究科博士後期課程 修了(2005年3月)
- 東北大学経済学研究科博士後期課程 修了(2011年9月)
学位
- 博士(医博(障)第88号)(2005年3月)
- 博士(経博(経営学)第84号)(2011年9月)
経歴
- 東北大学大学院医学系研究科 非常勤講師
- 東北大学大学院医学系研究科 Visiting Professor
- 韓国 又松(ウソン)大学保健福祉学部 助教授
- 国立大学法人 琉球大学教育学部 教授
- 下関市立大学 理事?副学長
- 下関市立大学大学院経済学研究科 研究科長
- 下関市立大学 副学長(統括)
- 下関市立大学 学長就任(2022年4月)
学長室より
歴代学長
氏名 | 在任期間 | 備考 |
---|---|---|
韓 昌完 | 2022.4-(現在) | |
川波 洋一 | 2016.4-2022.3 | |
吉津 直樹 | 2013.4-2016.3 | |
荻野 喜弘 | 2010.4-2013.3 | |
坂本 紘二 | 2007.4-2010.3 | |
堀内 隆治 | 2004.4-2007.3 | |
下山 房雄 | 1998.4-2004.3 | |
大屋 祐雪 | 1992.4-1998.3 | |
木下 悦二 | 1986.3-1992.3 | |
山田 龍雄 | 1980.3-1986.2 | |
大津 親人 | 1980.1-1980.2 | 学長事務取扱 |
北村 元一 | 1976.4-1980.1 | |
北村 元一 | 1976.1-1976.3 | 学長事務取扱 |
河野 實 | 1973.3-1976.3 | |
伊藤 迪 | 1967.3-1973.3 | |
木下 友敬 | 1966.4-1967.3 | 学長事務取扱 |
目崎 憲司 | 1956.4-1966.3 |